日中の太陽に温められて、イタヤカエデやオニグルミの樹液が出始めました。まだまだマイナス気温になりますが糖度が高いために凍りにくく、春一番に樹液をだします。煮詰めればメープルシロップやウォルナッツシロップが作れますが、収量が少ないのと季節が短いのであまりメジャーにならないようです。それでも森の動物たちにとっては、春の太陽と乾燥した空気の中で濃縮された樹液はある一番のご馳走で、エゾリスやキツツキ、カラ類やシマエナガが樹液に群がりなめているのをよく見かけます。そんな姿をみると冬も終わりです。
森に踏み入れば、あのときのふわふわの柔らかかった雪が、ザクザク、ガリガリと音を立てる氷雪になり、日が昇るとキバシリの転がり落ちるような美しいさえずりやゴジュウカラのフィフィフィフィという声を聞くと、血液もサラサラになるような心地がします。
今朝はマイナス16度まで下がり、引き締まる朝でしたが、エゾモモンガ達も様子も日に日に行動に変化が出てきたようです。光が強くなり、暖かくなれば繁殖の季節。これまで密集生活をしていたエゾモモンガたちも分散をはじめ、オスメスを意識し、巣穴選びや繁殖行動、追いかけっこも始まりました。
雪の上に残された、小さな糞やハンノキの食べカス。森のなかに静かに隠されたヒントをみつけて、行動を予測してみたり。春の足音、春めいてきました。