あっという間の6月。朱鞠内湖のイトウ釣りのガイドが終わって、十勝に戻り、季節に追われるように、駆け抜ける緑の中を虫たちと、鳥たちと、自然の動きをよく観察しながら、毎日毎日川を歩く日々に、ブログの更新が後回しになってしまいました。ごめんなさい。
六月の緑は、勢いの季節。この緑の世界が織りなす音と生命に匂いをお届けできないことがとても残念です。
河岸に立つバッコヤナギの穴は、ヤマゲラの巣穴でした。この穴は岩盤のある深い淵を一望でき、モンカゲロウの羽化の様子と大きな魚たちが、狂ったようにライズする姿を一望できる素敵な物件。いい時間帯を教えてもらいたいものです。
相変わらず、気まぐれな虫たちと、さらに気まぐれな魚たちを相手に、楽しい時間が過ぎています。今年は、昨年の気候のおかげか、水生昆虫の量が多いように気がします。どこにいっても、何かしらの虫たちに力を借りて、いいライズ、賢い魚たちとの知恵比べを楽しんでいます。
6月は晴れたらハルゼミで下品(豪快)な釣り、雨降ったらカゲロウで繊細な釣り。どちらも楽しい季節です。
プールに浮いて、ライズを繰り返す、名のあるヌシのような魚たちは、なかなか警戒心が強く、釣り人の気配を察してしまいます。虫の流下、雨の引き際、さざ波を立てる風。なにか釣り人の味方がないと、手強いです。
雷が鳴り始め、あと10分で車に戻りましょう。と言ったら、目の前のライズがなかなか取れずに、案の定、森のシャワー、びしょびしょ。
河原のフキがようやく回復してくれたのはいいですが、ヒグマにとってもご馳走で、ばったり出くわさないかドキドキしながら歩く川も、自然が豊か、回復しているいい兆しです。
フライがなかなか、飛ばないゲストさんに限って、素晴らしいライズに恵まれるものです。フライさえ入れば一発で食ってくれる状況なのですが、それが1日中、永遠と続く。釣りの神様は不思議なもの。いろいろなタイミングがちょうどよく重なり、楽園なようなことが起こるものです。
7月2日でロッジラッキーフィールド は、10年目を迎えることができました。たくさんの方々に助けられて、支えていただき、駆け抜けるような10年でした。本当に、ありがとうございました。
現在、世界規模で起こる異常気象やコロナウイルス、情勢がまったく読めない時代になりました。そして災害対策としての河川工事、泥水の排水。農業排水、糞尿の垂れ流しなどなど。魚や虫、鳥たち動植物への配慮をしてほしいと切に思います。釣り人たちも一緒に環境へ、自分たちがより楽しむためにフィールドに何ができるか。この時代だからこそ、何が大切か、何を大事にしていかなければならないか、考える機会であり、より慎重な行動をしていかなければいけない時代に変わったのだと思います。
ロッジラッキーフィールドは、小さな宿泊とガイドサービスで、小さいからこそできること、自然と人が出会い、そこから広がる世界を、この地域に根ざし、これからもできることを少しづつやっていきたいと思います。支えられて10周年、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
PS. 10周年の節目として、ちょっとした遊び心で、ロッジラッキーフィールドのオリジナルロッドを作ってしまおうということになりました。名寄の杉坂さんとスコットの橋本さんが協力してくれることになり面白いロッドになりそうです。詳しくは、以下の添付をご覧ください。
さて、いよいよ7月。どんな季節なるのでしょうか?