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ゲンゴロウ少年

ゲンゴロウを捕まえたいという少年のリクエストも3年目になると、これは本気でやらねば。と 1ヶ月前からゲンゴロウのことばかりを考えていた。

 

3年前はロッジの池に普通にゲンゴロウ(モドキ)もミズカマキリも泳いでいたけど、池の掃除をしてからは、いなくなってしまった。そして少年のために場所を見つけておこうと思って探してみると意外とみつからないもので、最後の手段として、友人、知人の虫の専門家たちのネットワークにヘルプを求めた。

 

ゲンゴロウを捕まえたいという少年の意欲は、いつしか私もそしてお父さんも巻き込まれ、絶対に捕まえてみせると、釣りよりも炎を燃やしていた。

 

一つ目の池では、ゲンゴロウ(モドキ)の幼虫を二匹見つけるものの、成虫がいない。それでもトミヨやオニクワガタという珍しい生き物に出会えた。

 

そして、二つ目の本命の池で、ゲンゴロウの成虫を発見し。見事に網ですくったのはお父さんで、子供よりも興奮していた(笑)。彼もその後、静かに闘志を燃やしているようで私も魚を見つける以上の集中力でゲンゴロウを探した。最後は少年の網にゲンゴロウが納まってくれた。

 

身近な自然そのものも、そして、なによりゲンゴロウ少年という貴重な生き物を見つけた。よかったね。

次の日は、涼しい谷でオショロコマを釣り、二匹だけキープして河原で焼いて、命をいただく。

水の冷たさや、虫の羽音、木々の隙間からの光の弱さや谷を抜ける風の匂い。オショロコマのヌルや魚の振動、北海道の懐深い森の豊かさを象徴するオショロコマ。河原で薪を集めて、煙に涙し、オショロコマの味を噛みしめる。北海道の夏の自然を全てで感じることができたかな?簡単だけど、なかなかできない味なんだろう。