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Special Guest

大学時代に抱いた夢が、「ニュージーランドで釣りのガイドになる」ということでした。それから数十年の間に、いろいろなことがあって、今では十勝にロッジを建てて、夏は釣り、冬は自然のガイドをしている。

 

そして昨日、遊びに来てくれたゲストはニュージーランド人のRob さんとHaideeさん。 メールでは詳しくは聞かず、会うまでニュージーランドの方とは知らず、ロッジで会って挨拶をしてびっくり。私が憧れ、夢を抱き、生きる目標を与えてくれたのがニュージーランドで、ニュージーランドの方がこんな(といっては失礼ですが)、ニュージーランドの自然や管理からはるかに劣る(と思う)十勝の田舎に、エゾモモンガを見たいと言って遊びに来てくれる。不思議というか、奇跡。うまく説明できないのですが、なんだかとても嬉しかった。

 

Robさんと、Haideeさんは、札幌在住でもう14年近く北海道に住んでいるとかで、はるばるニュージーランドから来たというわけではなく、2泊ほどの十勝旅行ということでした。

 

話を聞いて、興味を持ったのが、Robさんは大学の先生をしながらアウトドアのウエブサイトを運営していて、趣味のバックカントリースキーやカヌー、トレッキング、自転車などのアウトドアを自らリサーチし、ルートを開発し、それを体験し、冒険し、海外の方がより安全に、わかりやすく、北海道の自然を楽しむための情報発信を行なっている。hokkaidowilds というサイトで、これはかなり深く遊べるサイトです。

 

そこで、大事な話になったのが、自然相手の遊びは、「人が増えると自然は荒れる」という問題、また「遊びに来る全ての外国人がマナーがいいとは限らない」ということ。常に自然相手は付いて回る問題で、「自然を利用し守る」という意識や法律が海外から見るとまだまだ、管理されていない部分がほとんどだという。そのルールがない中で遊ぶことにも面白さがあるのかもしれないけど、人が増えると必ず問題が出てくる。

 

Robさんの明確な考えは、北海道の自然を深く楽しみたいという海外ゲストが増えることによって、必ず経済効果が生まれ、地域にお金が落ち、その地域は自然を利用し、守る方向に意識が向く。という考え。(これは私も全く同感!)さらに、まだまだ行政や地域は、その土地の自然や環境、生態系がどれだけ世界に誇れるものなのか、そして世界から見ればどれだけ貴重で価値があることなのか、その地域で生まれ、そこで育つとなかなか理解できないと話してくれた。

 

 

ロブさんは北海道に来る前は自転車やスケートボードで世界一周したことがあり、最長走行のギネス記録を持っているというから恐るべし経歴、海外あちこちを旅しても、そのなかでも北海道の魅力に惹かれ、定住するほど。普通なら、逆でニュージーランドのあの自然のなかでアウトドアをやりたいと憧れるのが日本人。

 

確かに、エゾモモンガのような哺乳類はニュージーランドにはいないし、北海道のフカフカ、サラサラな雪もニュージーランドにはない。結局、ないものねだりか?隣の芝か?どちらにしても、地域の魅力、宝をどれだけ見つけて、磨けて、それを守りながら利用していくか、それを察する部分がRobさんと話しているとかなり強く、自然体で北海道の自然を上手に楽しんでいる姿が、RobさんのHokkidowildsからも読み取れる。整備が先か?発信が先か?という部分は難しいところだけど、バックカントリースキーやカヌー、サイクリング、の場合は魅力を発信し、利用者が増えることで、どんな問題が生じ、どの程度の整備が必要か、そこに役場や行政が入ってきてくれるほうがいいのではと話していた。そんなちょっと普段ではできない話で夜は更けた。

 

私がガイドになりたいと思うきっかけが初めての海外旅行がニュージーランドで、ニュージーランドに行った時に釣りのガイドという職業を知ったことだったので、なおさらニュージーランドの人を北海道でガイドをすることになる日が来るとは不思議な感覚でした。

 

 

 

ガイドは早朝のエゾモモンガを見に行った。朝5時出発の真っ暗な森を少し歩き、いつもの巣穴でエゾモモンガを観察した。ハルニレの枝先にいる4匹のエゾモモンガ観察しながら、ゆっくりと明るくなるのを待った。久々のフィールドスコープでもたもたしているうちに、あっちに飛んだり、頭の上を滑空して巣穴に戻ったり、なかなか大サービスの朝になった。札幌に住んでいるというので、エゾモモンガの見つけ方も詳しく教えてあげた。きっと彼らの行動力なら、マイモモンガを見つけることでしょう。

 

短い時間だったけど、濃厚で刺激的な、これからが楽しみな異文化交流でした。今回の様子をRobさんがブログで紹介してくれたので、ここに貼り付けておきます(英文)。RobさんのHokkidowilds、お時間あるときにでもぜひご覧ください

 

Ps、彼らが帰って夕暮れのモモンガを見に行った、穴に4匹が戻ったので、定刻通り4匹が穴から出てきた。相変わらず滑空ショットは思うように行きません。

 

PPs、刺激をうけたのか、パン焼き少年が朝一で自転車の練習を始めていた。

 

今日は、夕方から雨、そして夜には大雨。どんどん季節が変わります。今だけしかない季節を楽しみたいです。