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どか雪

3月2日のドカ雪は、なかなかでした。春の陽気が続き畑の雪もとけて小麦畑には白鳥たちの姿も見え始めましたが、やってきました。恒例のドカ雪です。

 

ここに住んでいて除雪のためにスコップを持つのは、シーズン中、2回か3回程度というくらい雪が降らなず、晴れる日が多い(そのかわり冷える)のが十勝です。そんな雪が少なく暮らしやすい十勝ですが、3月は必ずドカ雪がきます。このドカ雪が湿った重い雪でたちが悪い雪でもあります。ビニールハウスが潰れたり、除雪機が詰まって動かなくなったり、簡単に車は雪にはまり動けなくなります。この厄介もののドカ雪も、このドカ雪をすぎるといよいよ春といった感じで、ドカ雪が来ないで春になるのもちょっと心配。

 

そのドカ雪が3月2日に降りました。ロッジの庭も50cmほどつもり、湿った重い雪は格闘するのはやめにして、隣の農家さんが除雪に来るのを待っていたら、郵便配達の車が雪にはまってしまい、押してあげて無事脱出。

 

そんな大雪の朝ですが、こんな大荒れの日に動物たちはどうしているのだろうと、気になります。

 

夜明け、たくさんの人たちが、除雪作業で忙しいさなか、エゾモモンガを見に行くのは、ちょっと申し訳ない気がしますが、なんとか駐車スペースを確保して、林に踏み入りました。

 

毎日のモモ活で踏み固められた、林の中の道は、雪に覆われ全く見えず、このあたりだろうと雪の中を泳ぐように、モモンガの巣穴にたどり着きました。

 

巣穴の前で明るくなるのを待ちます。いつもなら、周りの木にエゾモモンガたちが食事をしているのを見るのですが、まったく姿が見れません。そして、待てども飛んで戻ってくるモモンガもなし。結局、明るくなっても1匹も姿を見ることができずに終わりました。この雪は、朝の活動をしなかったのかもしれません。わざわざ来てみたのに、、、。そんなもんです。

 

 

そして、夕暮れ。もしかしたら天敵にやられていなくなってしまったのでは?と心配もありまして。モモンガの確認に行きました。まだまだドサドサと降り続く雪。カメラにカバーを乗せて湿った雪からカメラを守りながら、穴から出てくるのを待ちます。雪の世界は白と黒で、音がなくて、こんな世界も見納めだなぁなんて思っていると、3匹のエゾモモンガが出てきてくれました。ハルニレへと飛んで行きました。なんとか、モモンガの所在は確認できたので安心。それでも朝は、大雪のせいか活動しない時もあるのですね。

 

 

3月4日 おとといのドカ雪がひと段落して、今朝はスカッと晴れてキンキンのマイナス20度。分厚いダウンジャケットのポケットに手袋しての突っ込んでも痛い。車に戻ると吐息でまつ毛が凍って白いマスカラのよう。この殺人的な寒さも、これで最後でしょうか?

 

最近、夜明けのモモンガが食事から帰って、巣穴に戻る時間がどんどん早くなってきました。1、2月は巣穴に戻る前に、低い枝に乗って、ゆっくりと食事をして日の出近くまで観察できたのですが、3月になって、サービズもなく巣穴にあっという間もどってしまうことが多くなりました。それでも、古い巣穴をチェックしたり、繁殖期が近づいているのでしょうか?活動が厳冬期ような安定した季節から変わってきたのかもしれません。そんなこともあり、他の巣穴のエゾモモンガたちの活動パターンがどうなっているか、確認。

 

 

突然ですが、問題です!

 

エゾモモンガどこにいるでしょうか?

 

これでわかったら。達人レベル。

 

 

 

 

写真2枚目。どこかなぁ〜?ほら、どんどん近づいてきますよ!

 

 

写真3枚目 わかるかな?これででどうでしょう。

 

 

写真4枚目 もうわかる。かな?

 

もうわかる、でしょ!

 

夜明けの森で、真っ暗の中、木の枝さきで食事をしていたエゾモモンガが、巣穴に向かって滑空してくるところです。

 

 

エゾモモンガは羽ばたいて飛ぶことはできませんが、皮膜という腕の幕を広げて、滑空するのです。尻尾と皮膜を小刻みに動かして舵をとって細い木々の中を着地点をめがけて滑空です。まんまるの可愛らしい姿と反して、皮膜を広げて滑空する姿は忍者です。

 

最後は、着地の衝撃を和らげるために、下から上えて上昇して、腕を大きく広げて着地に備えます。

 

こんな瞬間的な動作を真っ暗ななかでもできる、エゾモモンガの視力と身体能力はどうなっているのでしょうね

木をよけて、最後は着地。あっという間に巣穴に潜り込んで、朝の活動は終了です。

今朝は、私が巣穴に到着したときは、2、3匹のエゾモモンガはすでに巣穴に戻った後だったようで、周りにモモンガの姿は見えませんでした。

 

諦めながら、待っていたら。奥の方の古い巣穴にどこからともなく飛んできたモモンガが見えたので、来るか?と思って、待っていると。古い巣穴には入らずに、木を一気に登っていくので、来る!と集中。

 

その距離、50m先ですが、木の上の方まで登ったモモンガが飛び立ったのを確認できたので、近くの巣穴に戻るまでの一瞬(ほんとに瞬きほどの時間です)でしたが、なんとかカメラの枠に入れることができました。明るさも味方し、一度だけのチャンスでした。

 

朝5時40分ころ、車に戻るとまつ毛が凍っているのに気づきました。久々の寒さでした。帰る途中、音更川を渡ったら、バブルラインではなく、アイスライン。カモたちが気持ちよさそうに水あび(氷浴び?)、撃たれると思ったのでしょうか?一斉に飛び立ち。近くにはオジロワシがとまっていました。