Fly Craft The Stealth X Inflatable Fishing Boat
アメリカから届いた三人乗りのボート。いろいろテストをしてみたく、ガイド仲間にお客さん役としてお願いして、3日間朱鞠内湖で釣りしました。
秋の朱鞠内湖は、5月のような新緑の色や鳥たちの音といった華やかさは全くなく、紅葉も終わり、雪が降ったり止んだり、鉛色の空はドヨンとし、モノトーンの世界は沈黙しかない。そんな沈黙の中、イトウを探してさまよい、沈めて引っ張るストリーマーにイトウが食いつくか想像する。日の出も遅く、日没も早い。この暗くどっしりとしたような晩秋の雰囲気はどくどくの空気、世界感です。そんな世界だからこそ、ロッジに戻ってからの秋の夜長も楽しみでもあります。
やっぱり、このお方、竿を振るとしっかり釣ります。
初ボート、初フィッシュは杉坂さんのイトウでした。さすがレジェンド、開始30分。10投ほどでイトウが釣れました。初日の昼食は、杉坂さん提供のおでん。雪の中の温まるお昼をご馳走になりました。からしたっぷり入れすぎて涙でるほど美味しかったです。
晴れたり、吹雪いたり。ころころ変わる空の様子。風裏に逃げたり、
今回のもう一人の助っ人は十勝のガイド。ムッチ〜。彼はイトウはまだ人生で2匹しか釣ったことがないというので、どうでしょう?ボートのテスト、お客さん役になってもらいました。
毎日のようにフィールドに出ている三人なので、悪天候も寒さも、その中で楽しむことを知っている仲間たちとの釣りは気遣いながらも、気を使わずに、楽しいものでした。
2日目の昼は、私提供の船上鍋料理。キムチ鍋のきりたんぽ。ムッチがショウガをでっかく切ってくれたので、ザックザクのショウガで足の先までぽっかぽかになりました。
岸際狙いや、流れ込み狙いの繊細なキャスティングにはグラスロッドの繊細なアクションがちょうどよく、杉坂さん作のホワイトグラスの8番にヒットしたイトウは、キャスティングではなく、移動中のハーリングでした。そんな以外な釣りかたもまた良し!
今回は、杉坂隆久さんのロッジ「ノースフライフィッシングロッジ」に2泊させていただきました。ボートのオールの長さ調整やエレキモーターの配線延長など、ノースフライフィッシングファクトリーには大変お世話になりました。食事も美味しくて、夜遅くまでお酒を飲みすぎてしまい、楽しい時間はあっという間でした。
普段ガイドでは行かない場所や実績がない場所で行ってみたり、ガイド仲間3人で漕ぎ手やお客さん役のローテーション。使い勝手を確認しながら、改善点を探して、快適なボートに改造。ボートいじりはガイドの趣味みたいなものです。
このボート、フライクラフト社 ステルスXはフライフィッシング用に設計されたゴムボートなので、前後に体をもたれることができるリーンバーという背もたれのようなものがあるので、立ってキャスティングするにはとても安定しています。また足元に突起物があるとキャスティング時にフライラインがフライラインが引っかかるの、そういった部分も全くストレスがない設計でした。まさにフライフィッシングには完璧(もちろんルアーでも)、文句なしのボートだと思います。ブラインドの釣りならば、前後に2人立って竿を振って、ガイドが真ん中に座って操船しても、安定し、走行性も白波が立つような中でも全く怖いこともなく、波を切って進んでくれました。
ボートのフロア(床)がエアフロア(空気)なので、スパイクのついたウエーダーはダメで、床に板を引いたり、杉坂さんはスリッパのようなスパイクカバーを履いていました。
朱鞠内湖にしても、十勝川にしても、ボートからのキャスティングの場合は、シングルハンド9フィートが向いています。船上からのフライフィッシングは竿が短い方が取り回しが良く、シンキングライン、フローティングライン、その状況に応じてラインを替えるようにします。また、上陸してスペイやオーバーヘッドで釣る場合はダブルハンド、ツーハンドロッドも楽しめ、魚の付き場、上陸できるかできないかなど、その場に合わせて臨機応変に効率よく釣っていくことができるのもボートフィッシングの魅力です。
冬になるまで、もう少し川や湖での釣りができるので、色々テストも兼ねていろいろリサーチしてみたいと思います。
フライフィッシング用に作られたフライクラフト(アメリカ本社)です。詳しくは、こちら。fly craft https://www.flycraftusa.com