毎年、釣りのガイドの仕事は12月のイトウ釣りが最後。プライベートでは、その後も釣りに行きますが、ガイドとして無難に釣れる季節として、12月の上旬まで。
先日、70歳のゲストさんが初イトウを釣り上げて、それにつづくか?と思いながら、常連のベテランゲストさんの3日間のチャレンジでした。
この季節は、一晩で景色が変わり、そして厳しさもぐっと深まる。それも想定内で、ウエルカムがこの季節。雪が黒い水面に吸い込まれる音のない世界。白と黒の中にいる感覚も、糸を引く水のトロッとした感覚も、最後の季節は独特で、この世界に立った人にしか分からない吸い込まれるような不思議な世界がここにはあるように思います。
そして、ホテルに戻って、お風呂で温まって、暖かいお料理。このギャップ。
6、7年毎年この最後の季節を狙って来てくれるベテランゲストさんだけに、アメマスもイトウもしっかり釣りあげ、見事なものです。
私ができることは、船を操船している合間に温まるお料理を作ることくらいで、ショウガやニンニク、キムチなどをたっぷり入れて、足の先が温まるように頑張ってもらう。
最終日もイトウが釣れました。中型のイトウでしたが、50センチから60センチのイトウの密度が高いようで、2016年の台風災害の生き残りのイトウたちです。このイトウたちが、これからどこまで大きくなっていくか、5年後くらいが楽しみです。
イトウをそっとリリースし、勝利のコーヒーでした。三平くんのマグカップも今年一年もお世話になり、すり減ってすり減って、薄くなってしまいました。皆よく頑張りました!
ただただ余韻に浸る夕暮れでしたが、最後に竿が曲がったのが写真の大ウグイ!一瞬80オーバーのイトウかと思えるトルクに、バタバタしていたゲスト様。見事なシメの1匹でした。
今年一年、楽しい釣りをありがとうございました。
また来年も、一緒に釣りができるのを楽しみにお待ちしております。
イトウをどうしたら守っていくことができるか?
イトウの生息環境、産卵できる環境や、産卵場所までいくことができること、堰堤や落差工がないこと、1歳や2歳のイトウが生息できる環境。イトウの餌になる小魚が増える環境。そして大きなイトウが暮らせる環境。全てが揃わないと、釣り人が大きなイトウを釣りたくても絶対に釣れない。今日釣れたとしても、これから先釣れるかわからない。
温暖化や気象変化、台風や大雨。今まで災害が起こらなかった河川も環境の変化に河川工事や河畔林の伐採、砂防堰堤など人間の暮らしを守るために、川が犠牲になり魚や動植物が犠牲になってしまう。
南富良野町は「イトウと暮らすまちづくり」として、イトウの研究員を役場内におき、イトウの産卵調査、稚魚の調査、生息環境の調査を昔から続けている。私も10年以上前からソラプチイトウの会に参加させていただき、いろいろとわずかながらお手伝いをさせてもらっている。いい勉強になり、どうしたらイトウ釣りを楽しみ、釣り続け、そして守っていくことができるか、考えるいい機会をいただいている。
幌加内町の朱鞠内湖も中野さんがキーパーソンになって、イトウを守るためにレギュレーションを設け、保護区を設け、プレミアムガイドツアーなど、イトウを利用しながら守っていく仕組みが出来上がった。
南富良野町の金山湖も役場のスタッフがどうしたらイトウと暮らしていくことができるか、地道な調査、作業を続け、コツコツと前進している。2016年の巨大台風の災害から、驚くような回復力で、イトウの稚魚や親魚の回復、アメマスの回復、そしてワカサギやウグイ、河川環境の回復は、山、森林、河川全てのポテンシャルの高さはここ数年で確実に実感するほど現れた。
守っていくためには、釣りを続けていくためには、どうしたらいいのか、
イトウ釣りのガイドを終え、1日だけでしたが、イトウの調査に参加させていただき、イトウを釣り、湖の環境を評価し、イトウの研究者であり、これからの利用方法についていろいろと話すことができ、プチイトウフォーラムでした。これから必ず、(もっと)面白くなる南富良野町のイトウ環境、イトウ釣りだと確信しました。
ホテルの支配人は、釣り場までの道を除雪してもらったり、滑り止めの砂を撒いてもらい大変お世話になりました。またスタッフさん方にも大変お世話になりました。支えていただいた方々に心より感謝いたします。
ホテル ログラーチのホームページはこちらです。
とても快適なボートなので、11月、12月のイトウ釣りにチャレンジしてみませんか?来年2022年のガイドの空き状況はこちらで確認することができます。奇跡を起こしに行きましょう!